映画「ブレードランナー2049」をひとことで言うと?

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「何もかもが不確かな中、命をかけるに値するものは何か?」

です。

前作から一転、今度の主人公Kは、完全にレプリカントであると
明示されています。

新作の改良型、おそらく寿命も反抗心もない人造人間。
そんな彼は、同じく改良型のレプリカントの処刑を
人間から命じられた仕事としてこなしています。
「人もどき」などと差別され、人間側にもレプリカント側にも
居場所がないKは、上司に忠実に仕事をこなし、
家では立体映像の女性、ジョイに癒される日々を送っています。

信じられないほどよくできた立体映像の女性。

設定という意味でも、ビジュアルエフェクトという意味でもです。

Kは職務中、対象のレプリカントからあることを言われます。

「お前は奇跡を見たことがない」

死にゆくレプリカントの言葉をヒントに、
周囲の調査をした結果、人造人間で
出産が不可能なはずのレプリカントが
子供を産んだのではないかという疑いが発生。

見た目や心、思考などでは人間と区別できず、肉体的には人間を
上回るレプリカントが唯一不可能なことが妊娠・出産です。

これを重くみたのがKの上司です。


人間との決定的な差異である妊娠・出産を
レプリカントが果たせば、もう人間と区別ができなくなります。

外宇宙で奴隷労働に従事させているレプリカントだって、
もはや人間と同じか上位の存在となりえますし、それは
人間にとって脅威でしかありません。

だからこそ、レプリカントから生まれたかもしれない
子供の抹殺指令は絶対のものとしてKに下されます。

しかしこれは同様にレプリカントにとっても重大事です。

人間との差をなくし、同等の権利を勝ち得るためにも、
絶対に守り抜くべき存在として、子供の獲得へ向けて
動き出すレプリカント勢い。

しかし、Kは、調査の進展に従って、ある疑念を
持ちます。

「自分こそが、その赤子なのではないか?」

そんなわけはない、と記憶をたどり、
やっぱりそうかもしれない、と考え直し、
もしそうなら自分は抹殺されるかもしれないと怯えます。

言ってみれば殺す側のレプリカントでしたから、
激烈に困惑します。

レプリカントは自分たちの革命のため、
人間側は既得権益のために子供を探します。

しかし、Kにとって本当に大事な答えをもたらしたのは、
工業製品である立体映像の女性でした。

「きっと、望まれて産まれてきた存在。
きっと、名前だってあるはず」

これはレプリカントだろうが人間だろうが、
まちがいなく大事なわけで、それを再確認させられますが、
それを立体映像の、おそらくAIに言わせるところが秀逸です。

全ての可能性を探って結論に辿り着いたKは、
自分の目的にとって妨害となるレプリカントを
倒します。

レプリカント同志ですが、相手はKと共闘する意思がありません。
Kを守るレプリカント革命軍も動き出しますが、
結局、Kはそこにも与しません。人間の味方にもなりません。

革命軍の指導者レプリカントはKに言いました。
「大義のために戦うのが最も人間らしいのだ」

人間らしくあろう、人間存在の至高の在り方を
目指す言葉ですが、ともすれば自分たちは人間より下位と
認識しているともとれます。

人間ならば、人間らしくあろうとすることは、
戦いの目的には掲げないでしょう。
もちろん革命軍の第一目的ではないですが、
かなり重要な目的だろうとは思われます。

一方、奴隷としてレプリカントを生産し続ける
人間側の在り方は決して美しいものではありません。

不完全性定理が発見され、
絶対的な存在が否定されたように、
人間やレプリカントの決定的な定義など、もはやありません。
そんな中で戦いの動機を失いかけるKは、何のために死地におもむくのか。

それは、一瞬だったとしても、夢だったとしても、
自分にとって大切なものだった思いや可能性のためでは
なかったかと思います。

幻であったとしても、
形は変わっていても、
自分のことではなかったとしても、
Kにとって大切だったもの。

人間だろうが、レプリカントだろうが、
命をかけるに値するものがあったということは
前作を見てようが、見てなかろうが、
心にすっと入ってくる作りになっていると思います。

時には前作の要素を変奏し、
時にはSF的、哲学的考察も交えつつ、
素晴らしい余韻をもたらしてくれる映画です。

他のみどころ

他にも注目していただきたい、
注目してしまうであろう、
およそ見た人の大半が興味を持つポイントをあげておきます。

雪。

これはいわずもがなですね。

情緒的な雪の表現としては突出していると思います。
前作の雨と対になっているのでしょう。

未来予測

前作と同じく、これから作られるSF映画の基準と
なるようなビジュアルかどうか。

前作のように、これ以降のビジュアルに絶対的に
影響を与えることはないでしょうが、
一見の価値がある未来世界の構築に成功していると思います。

音楽。

前作のファンならば、よりいっそう楽しめることうけあいです。

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