映画「ホース・ソルジャー」のあらすじをネタバレで評価!

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「グリーンベレー」と呼ばれるアメリカの「陸軍特殊部隊」のなかで「9.11」直後にアフガニスタンに赴き、現地勢力に協力しながら危険な任務をこなした、ある部隊についての物語です。

中でも馬にのって戦闘行動をするあたりを、映画としてのかっこよさ、アクションのかっこよさ、アメリカンな保守的なかっこよさとして描き、観客へのアピールポイントとしています。

ちなみにこの部隊の働きは当時、軍による機密扱いだったことにより、2009年にノンフィクションの書籍が発表されるまで公にはされていませんでした。

満を持しての映画化、といっていいでしょう。

映画「ホース・ソルジャー」のあらすじ

テロ事件首謀者と、武装組織アルカイダを跋扈する、アフガニスタンのタリバン政権を無力化する手段として、ドスタム将軍率いるアフガニスタン北部勢力がタリバンの重要拠点である都市マザーリシャリーフの制圧を、アメリカが軍事的にサポートする。

そのために派遣される、主人公ミッチ率いる部隊。

しかし、ドスタムの思想とミッチの思想とのちがい、アフガニスタンの急峻な地形など、苦戦をしいられる・・・

といったところでしょうか。

映画「ホース・ソルジャー」のキャラ

いちばんいいのは、ドスタム将軍でしょうね。幾度も戦場となっているアフガニスタンという地を評して、

「ここは多くの帝国の墓場」

「ここでは米軍もひとつの部族に過ぎない。されば臆病者。残れば敵ともなる」

など、歴戦の将軍にふさわしいセリフをいくつか聞かせてくれます。

戦闘中も1人で突っ込んで、実際に敵側にロケットをぶちこみ、大活躍しています。

部下に慕われており、畏怖もされている。

自分や部族の掟をしっかり持っている。

戦闘に長けている。

物語中、唯一、アフガニスタンについて語る資格を持つ人物。

ドスタムが敵であるラザンと対峙した時、今迄のことを思い出したであろう、と想像してしまうほど、このキャラクターがアフガニスタンで戦ってきたことは観客にすんなり伝わるでしょう。

反対に、まったくダメなのが主人公のミッチの描写です。

ダメなのは問題ないんです。ダメな男が成長するか、その逆でもかまいません。

それがないから映画の物語としてダメ、ということです。

この主人公、ミッチの描写として、

・実戦経験がない

・しかし訓練中から部下から慕われていたであろう人物

・愛国者

・生命の危険があっても愛国心ゆえに逃げない

など、いくつかの要素がありますが、どれも物語中で機能していません。

実戦経験のなさはドスタムから指摘もされますが、それは成長したわけでも、その逆でもありません。要するに、物語としては、冒頭とエンディングで何も変化がありません。

変化がないなら、中途半端なエピソードなど外してしまう方がいいでしょう。

ついでに言うと、「兵士としての戦闘に若いころは疑問がなかった、だが、今は迷う、それは人間だからだ」というようなことを言う兵士が登場しますが、このとってつけたようなシーンは映画全体に対して何の貢献もしていません。

制作は大御所ジェリー・ブラッカイマーですから、徹底的に戦争状況を描いた「ブラックホーク・ダウン」のような作りを期待してしまいましたが、ずいぶんとウェットな仕上がりでした。

描写にも、まあまあ問題があると推測します。

冒頭で、9.11にショックを受けたミッチは、除隊を撤回し、復職を願い出ます。

それが聞き入れられないとなると、オフィスでデスクを蹴り倒しています。

なかなかの子供っぽさ。

戦闘中も、この男は生死を顧みません。勇敢で、自分は戦闘に赴き、部下には志願を募ります。

いわば愛国心と生死の危険の板挟みが、苦悩のポイントです。苦悩していませんが。

しかし、兵士の物語としては、命令と、ほかの何かの板挟みで苦悩するべきでしょう。

グリーンベレーとは、複数の言語を習得し、高度な医療スキルを持ち、戦闘、体力でもずば抜けているからこそ、少人数で潜入し、現地戦力と共闘できるような人たちです。

グリーンベレー1人は○○人に値する、と言われるのはそのためです。

そんな兵士にしては、行動の動機がいちいちウェットすぎると感じます。

もちろん、実際のグリーンベレーを知るわけではないですが、あんな直情的な行動では、ふつうの会社員でも上司に相手にされないでしょう。いわんや軍隊ならなおさらだと推測します。

ドスタムとは割と落ち着いて話をするシーンが多く、いくらかはグリーンベレーらしさを見せる主人公ですが、一度は決裂します。

しかしクライマックスで主人公が馬に乗って走り出すと、ドスタム側の戦士もついてきます。

このへんも実にあいまいで、エンディングでは、ドスタムと親交を結びますが、決裂からの復活は戦闘中のドサクサでしかありません。

ちなみに、実話をもとにした映画ですから、米軍兵士とドスタム将軍との親交は実際にあるようです。

しかし、実にぬるい脚本です。ビジュアルはけっこうすごいんですけど。

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いってみれば、実戦経験のない優等生が、仲間と戦闘に行き、愛国心に基づく行動では生死を顧みず、命令はさておき自分の行動には絶対の自信を持ち、馬に乗って戦場を走れば少しも被弾せず、尊敬を集められた、というお話です。

言い換えれば非常に好感が持てる主人公です。

現在のアメリカで大衆に受けるタイプとしては、こういう描写になるのでしょう。

映画「ホース・ソルジャー」は保守的?

かつて、「ランボー3怒りのアフガン」という映画があって、当時の大統領はこの映画を絶賛しました。ソビエト相手にランボーが大暴れしていたからです。

ちょっと似た雰囲気を感じました。

ただ、ランボーという男は非常に厭世的ですし、知己のために戦闘へ赴いただけです。

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しかし、この、映画「ホース・ソルジャー」の主人公ミッチは、近年というか、今まで見たことがないほど愛国心たっぷりな男です。

是非を問うつもりは毛頭ありませんが、恥ずかしくなるくらいのストレートさ。

この映画が右傾化の現れとかそういったことを主張するつもりはありませんが、直情的で陳腐な愛国心に表されるような主人公の性格描写は、非常にシビアな戦争という状況を描くのに、大幅にマイナスになっていると思います。

映画「ホース・ソルジャー」の戦闘アクション

戦闘シーンは非常に大規模で見応えがあります。

できれば音響がいい映画館で見るとすごい迫力を体験できます。

アサルトライフルと馬、という組み合わせは、とても新鮮ですし、かっこいいです。

古き良きアメリカをブラッシュアップしたようなかっこよさなのだろう、とは思いますが、素直にかっこいい。

爆撃を空撮するシーンが何度となくでてくるのはちょっと飽きがきますが、全体的には迫力あるアクションをたっぷり楽しめます。

アクション、特に戦争ものでは、その目標の描写なども大事です。

序盤の戦闘で、

・爆弾を落とす座標を特定しなくてはならない。

・しかし近づくと敵に見つかる可能性が上がる。

この目標に対するせめぎ合いを軸に組み立てられたアクションシーンがあります。

しかしクライマックスでは、戦車が出てきたりしますが、どのような脅威なのか、どれほどの戦闘力を持ち、どんな障害となるかの描写が少ないです。結果、目標に対するせめぎ合いという戦争アクションの見どころが少し減じられています。

しかしビジュアル的には素晴らしい戦闘シーンですね。

同じようなテーマなら、

「ローン・サバイバー」の方がはるかに素晴らしい映画です。

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「ホース・ソルジャー」は、戦闘アクションとしてはかなりの見応えで、劇場で見る価値はじゅうぶんあると思います。

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